上智大学音声学研究室・科研費研究報告会

日時:2024年3月18日 12:30-16:30

プログラム

12:30-12:35: 挨拶・趣旨説明

12:35-13:25: 母音無声化研究グループ発表

13:30-14:20: 東北方言調査研究グループ発表

14:20-15:00: 休憩

15:00-15:50: L2英語研究グループ発表

15:50-16:20: 全体討論

16:20-16:25: 閉会

各グループの紹介

東北方言調査グループ: 基盤C 22K00516

母音無声化研究グループ: 基盤C 18K0066

L2英語研究グループ: 基盤C JP18K00549, JP18K00662, JP19K00585, JP22K00625, JP23K00489

上智大学音声学研究室講演会(Sophia Open Research Weeks企画)

講演会ポスター1
講演会ポスター2
  • 講演者:川添愛
  • タイトル:習ってないのに知っている 日本語のふしぎ
  • Sophia Open Research Weekイベントとして上智大学音声学研究室で表記のZoom講演会を開催します.ソフィア祭期間中です.学外の方も気軽にキャンパスにお越しください.場所は2号館309教室,日時は11月3日 13:30〜15:00です.また,お好きな場所からZoomでご覧になりたい方は以下のリンクからご登録ください: https://forms.gle/SPckyam7Hiy73XQ57

上智大学音声学研究室 研究発表会

音声の広範な実地調査,オンライン心理実験,および音響分析に関する研究発表会

日時: 2022年2月12日 13:00-17:05 終了しました。当日のスライド(の一部)はこちらに >>> https://www.dropbox.com/s/7xbnxamhaceh6rb/2022-02-12slides.zip?dl=0

zoomによるオンライン配信。以下のGoogle formにて参加登録をしてくださるとzoom linkをお送りします。

https://docs.google.com/forms/d/1usKsiZlDZM0FZ81pXZ855zRK-ZgCAcS31yC0vTRLO1s/edit?usp=sharing

  • プログラム
    • 13:00-13:30 黄竹佑「複合語における韻律情報の処理メカニズムと実証可能性」
    • 13:35-14:05 野口大斗「言語研究と自然言語処理技術の接点―英語の発音と綴りの規則性の検討を中心にー」
    • 14:10-14:40 渡部直也「資料に基づいた音韻体系の定量的分析-スラヴ諸語の事例から」
    • 14:40-14:50 休憩
    • 14:50-15:20 橋本文子「東北方言に見られる同化現象について」
    • 15:25-15:55 溝口愛「言語研究における調音データの活用例 ― 超音波を用いた舌形状の研究より」
    • 16:00-16:30 松井さなえ「日本語の有声閉鎖音素や音素/z/の変異の獲得」
    • 16:35-17:05 北原真冬「非侵襲的な音声研究の手法のいくつか」
  • 発表要旨

黄竹佑 (名古屋学院大学)
「複合語における韻律情報の処理メカニズムと実証可能性」
要旨:アクセントや声調といった韻律情報が弁別的である言語では、レキシコンに単純語の韻律情報が指定されていると考えられるが、複合語はいかに処理されているかはまだ定説がない。本発表では日本語と台湾閩南語の行動実験と脳波計測の結果に基づいて、韻律情報の処理メカニズムとそれにかかわる実験手法の有効性を議論する。

野口大斗 (東京医科歯科大学)
「言語研究と自然言語処理技術の接点―英語の発音と綴りの規則性の検討を中心にー」
要旨:計算機を活用した定量的な言語研究や言語教育への応用の可能性について発表する。特に、自然言語処理における品詞タグ付けの技術を利用した、英語スペリングの発音からの確率的な推定に関するトピックを中心に扱う。この手法を用いる限りでは、英語の綴りのうち規則性が認められるものは3割程度しかないことを報告する。

渡部直也 (東京大学大学院)
「資料に基づいた音韻体系の定量的分析-スラヴ諸語の事例から」
要旨:本発表では、コーパスのように言語研究に適した形式となっていない資料(辞典など)に基づいた、定量的音韻研究の事例を提示する。具体的にはチェコ語の母音交替とロシア語のアクセントパターンについて、既存語の傾向と将来の研究可能性について議論する。

橋本文子 (東京家政大学)
「東北方言に見られる同化現象について」
要旨:東北方言に見られるカ行・タ行子音の母音間の有声化は、無声子音が母音の有声性に同化した同化現象と考えられている。一方で、東北方言には狭母音の無声化と、さらに一定の条件下で有声子音の無声化が見られる場合がある。本発表では、東北方言に見られる有声化と無声化の現象を同化の観点から考察し、先行研究を交えながらこれらの現象について改めて考えてみる。

溝口愛 (前橋工科大学)
「言語研究における調音データの活用例 ― 超音波を用いた舌形状の研究より」
要旨:音声研究において、調音分析は、発話中の口腔内を計測することの難しさから、音響分析に比べ、数が少ない。本発表では、超音波診断装置を用いて計測した舌形状の分析結果の教育的、臨床的応用の可能性を例示する。さらに、第一・第二言語獲得理論、音韻理論等への応用事例を紹介する。調音と音響の関係についても言及する。

松井さなえ (上智大学大学院)
「日本語の有声閉鎖音素や音素/z/の変異の獲得」
要旨:対乳児発話は,様々な側面で対成人発話とは異なることが明らかになっている。また,対成人発話における分節音の出現頻度は,乳幼児の分節音の獲得に影響を与えると考えられている。 しかしながら,日本語の子音の獲得過程や,対乳児発話がそれに与える影響について,十分な音声データに基づいて調査された研究は少ない。本発表では日本語の有声閉鎖音素や音素/z/の獲得過程について,対乳児発話,対成人発話,および子供の発話の音響分析の結果に基づいて,議論する。

北原真冬 (上智大学)
「非侵襲的な音声研究の手法のいくつか」
要旨: 音声研究において,音響信号以外の計測手段があることによって探求の可能性が大きく広がる。本発表ではEGG(electroglottography)による声帯振動の計測,およびEyetrackerによる視線計測の実際の使い方を紹介する。さらに,皮膚コンダクタンスや脈波の測定から緊張-リラックス度の測定を行う簡単な装置についても紹介する。